日本的な完全スクラッチ開発によるシステムインテグレーション(SI)はたぶんなくならない
日本的な完全スクラッチ開発によるシステムインテグレーション(SI)はたぶんなくならない
従来型の「システムの方を業務に合わせる」というスクラッチ開発が否定されて、「業務の方をシステムに合わせる」というパッケージ化が声高に叫ばれて久しい中、それの成功例をほとんど聞かない。
オフショア開発も同様。
少なくとも自分の観測範囲では。
この問題は、日本的な雇用のあり方が、とても関係している。
IT業界云々の話ではない。もっと根が深い。
よく言われているように、欧米では、一人ひとり、契約で行う仕事内容が明確化されていて、企業においては特定のポストに対して求人が行われる。
そういった背景から、仕事は可視化されやすく、専門性と汎用性を両立できる。
だからこそ、パッケージ化も比較的容易で、業務システムも汎用化されたパッケージをそのまま利用しやすい。
一方で、これもよく言われるように、日本では、新卒一括採用の文化や、大分変化してきたと言われるが、「就社」という長期雇用前提の就職文化があり、一人ひとりの仕事内容は明確化されていない。
企業などの組織間での人材流動性が低いことや、上記の仕事内容が曖昧であり続ける文化も重なり、同じ呼び名の仕事であっても各企業や組織毎に内容がバラバラであり、属人性を排除できない。
良いか悪いかの問題ではなく、そもそもこうした状況で、日本的な完全スクラッチによるシステム開発がなくなることは考えにくい。
官僚化が進行するユーザー側とシステム開発者の仲立ちができる人材(人財)こそが重要視される
システムの事などわかっていないユーザー側もしくは全ての経営者たち
ユーザー業務の事など興味がない上流工程を鼻で笑っているエンジニア(注1)たち
この両者の意識の隔絶は、どんどん広がっている。
開発言語などに変なこだわりを持っているようなエンジニア(注2)には、おそらくいくら言ってもわからないのだろう。
(注1) システム化の企画や検討/基本設計をエンドユーザー側と実施することなのだが、それを主としてやっている者はエンジニアではないらしい。やったことあるんですかね?
(注2) COBOLはやりたくないとか、Javaはもう古いとか、組んだこともないのに否定したりしている人々がいる
三年間は頑張ってみろの本当の意味
三年間は頑張ってみろの本当の意味
どんな仕事も「とにかく三年間は頑張ってみろ」という言葉は昔からよく聞く。
最近は、この言葉を否定する人が増えている感じがある。
「現代社会は変化のスピードが速いため、三年も待っていたら時代遅れになってしまう」
「若い人にとって三年間は大きすぎる。そんなに我慢する必要はない」
この考え方も間違ってはいないだろう。否定するつもりはない。
最終的には、その人その人、ケースバイケースで答えは様々だ。
ここでは、少しだけ「三年間は頑張ってみろ」の本当の意味を考えてみる。
仕事(キャリア)には三種類のものがある
仕事、もしくは、キャリアには、大きく捉えると、三種類のものがある。
- 1.専門性が高い、知識やスキルの積上げに長期間を要し奥が深い仕事(異年代差大・同年代差少)
エンジニアや専門職、特定の業界に特化した専門知識が必要な仕事。
悪く言えば潰しが効かない仕事。
下積み期間がとても長い。
- 2.汎用性が高い、知識やスキルの積上げは短期間で済み深くはない仕事(異年代差少・同年代差大)
人材系/管理系ビジネス、ヒューマンスキルが重要視される仕事。
悪く言えば底が浅い仕事。
若くても素質があれば一人前になれる。
- 3.専門性も汎用性もほどほどで、知識やスキルの積上げは短期間で済み未経験者でも可能な仕事(異年代差少・同年代差少)
定型的な部分が多い仕事。一般事務や比較的単純な作業など。
悪く言えば誰でもできる仕事。
自分の生活や性格に合えば長く続けられる。
無論、仕事の分類の仕方は上記がすべてではないし、上記だけが正しいとも思わない。
それでも、こういう分類もできるという例である。
仕事は、同じ呼び方の仕事であっても、入った企業や配属された部署によって、異なる分類になってくる。
「三年間は頑張ってみろ」というのは、
自分が選んだ仕事はどんな種類の仕事か
世の中のどういう仕事がどういう種類の仕事か
自分が本当に合っている仕事はどういう仕事か
を見極めるのに、かかる期間だと思う。
それを見極めるときに、例えば、上記の3分類で考えてみると、どうだろうか。
「1.」に該当する仕事なら、下積み期間が長い仕事なので、はじめの数年間は仕事としてはつまらないかもしれないが、それは必要な下積みであると思える。
「2.」に該当する仕事なら、若くして能力次第で一人前の仕事ができるが、更にキャリアアップをしたい場合は、職種チェンジも考慮しないといけなくなってくる。
下積みの重要性を誰も教えない悪循環
世の中の大人が、下積みの重要性をうまく若い世代に伝えていない現状があるように思える。
それで、下積み期間が長い仕事が敬遠されてしまう。
人工知能(AI)が発達して食い込んでくる領域の仕事は、上記で言えば「3.」「2.」の順だろう。
日本全体で守っていかないといけない領域は、失われつつある職人の領域や、町工場などの現場の領域なのではないだろうか。
そういった領域こそ、「とにかく三年間は頑張ってみろ」の世界なんだがなぁ。
就活生へ。「情報の海に溺れるな」「とにかく調べろ」「思考停止するな」「他人と比較するな」「置かれた場所で咲くことも大切」
就活生へ。「情報の海に溺れるな」「とにかく調べろ」「思考停止するな」「他人と比較するな」「置かれた場所で咲くことも大切」
就活生へ。(就職活動をしている新卒予定の学生へ)
(高校、専門学校、短大、高専、大学その他すべて)
情報の海に溺れるな
とにかく調べろ
思考停止するな
他人と比較するな
置かれた場所で咲くことも大切(最後は縁も大切)
最近、興味深いブログ記事を拝読した。
takoyakitabetai.hatenablog.com
全面的に内容に賛同する気持ちはないのだが、少なくとも、
「2. 大手はやめろ」
「3. 調べろ!!!!!!!(圧)」
…などは、頷ける部分が多い。
本当、この逆を行っている学生さんの多いこと、多いこと。
情報の海に溺れるな
近年、「学歴フィルター」という言葉がすっかり定着した感がある。
私は、「学歴フィルター」は、学生層自身が作り出していると考えている。
本当に、一部の国家公務員キャリアの世界などを除いて、世の中の大部分では、学歴なんて誰も気にしていない。
そもそも、長年いっしょに働いている同僚であっても、その人の学歴なんて知らない場合がほとんどだし、仮に知ったとしても、それで態度が変わることなんてない。
学歴の価値なんて、世代や時代で変動するものであるし、過去の歴史よりも、いま現在その人がどんな知識と能力があって、どんな人間性か、ということの方がはるかに重要なのである。
何故、一部の大企業が「学歴フィルター」などを使っているのか。
それは、インターネットが普及したために、気軽に入社希望(エントリー)が行える環境が整ってしまったせいで、誰もかれもが有名大企業に「とりあえずエントリー」することが増加し、一企業に対して、何万ものエントリーが来ることが当たり前になってしまったためであろう。
一方で、学歴不問で人材を登用している優良企業も、本当はかなりある。
そういう優良企業は、一般人には知名度が低いというだけで、実は本当に良い企業だったりする。
優良企業で学歴不問、人物重視という企業はたくさんある。
とにかく調べろ
上記のような優良企業の情報は、待っているだけでは入ってこない。
無論、ネットの情報なんてウソばかりである。
自分の手足を使って調べるしかない。
世の中の、業界の、本当の仕組みを調べるのである。
思考停止するな
一般人でも知っているような超有名企業にエントリーが集中するという現象は、就職活動をしている学生自身が「思考停止」しているとしか思えない。
有名大企業に入ることが「勝ち組」とか騒いでいるのは学生だけである。
生涯年収が云々とか言っているのも然り。
主語がでかいのも然り。
自分が具体的にどんな仕事をしてどんな生活を送りたいのか、考えていない。イメージしていない。
大企業で官僚的な仕事をすることが「勝ち組」で、その委託企業などで実務的な仕事をすることが「負け組」などと、本当にそんなに単純なモノサシが正解なのだろうか。
単なる同世代に対する「見栄」だけじゃないのか。
同世代の意見など参考にする意味はない。
みんな自分と同じで世間知らずなのだから。
他人と比較するな
上述の「思考停止するな」とも関係するが、しょせんは社会経験がない者同士で、「勝ち組」「負け組」とか言い合っているだけでは、自分は幸せにはなれないだろう。
人は人。自分は自分。
自分にとってどういう道に進むのが良いのか。
問題はそれだけであり、他人と比較することは意味がない。
置かれた場所で咲くことも大切(最後は縁も大切)
これは受験などにも言えることであるが、第一志望には入ることができないこともあるだろう。
しかし、そこで腐ったりせずに、入ったところで頑張ってみることも大切である。
特に仕事なんてものは、「やってみなければ自分に合っているかどうかわからない」のだから。
第一志望とは違うところに入ったとしても、入ったら案外、自分としっくり合うかもしれない。
縁というものもある。
インピーダンス・抵抗(レジスタンス)・リアクタンス・アドミタンス・コンダクタンス・サセプタンス
インピーダンス・抵抗(レジスタンス)・リアクタンス・アドミタンス・コンダクタンス・サセプタンス
電気回路、電子回路の勉強をすると、まず、聞きなれない用語の壁にぶち当たる。
私は長年IT業界でシステムエンジニアをしているが、IT初心者もやはり初めは用語の壁にぶち当たるのだろう。
そんなことを思う次第。
数式は用いないで、電気回路・電子回路の似たような用語の意味を書いてみる。
電気の流れにくさに関係する用語(単位:オームΩ)
厳密に言うと、電気の流れにくさは抵抗(レジスタンス)だけだと思うが、単位がオームのモノを3種類まとめる。
インピーダンス(記号:Z)
回路のレジスタンス、リアクタンスを総じていう場合、インピーダンスという。
直流回路では、基本的にリアクタンスは登場しないため、主に交流回路の話に出てくる。
交流回路ということは、周波数を持つということ。
波の性質があるということを意味する。
レジスタンス(記号:R)(抵抗)
直流回路で最初に習う素子である。直流回路を豆電球と電池で作る場合、豆電球が抵抗にあたる。
「電気の流れにくさ」を示し、仕事をしてジュール熱を発生させる。
E=I・R または V=I・R の式は、オームの法則として知られている。
(ここだけ数式を用いてしまった)
レジスタンスは、交流回路においては、電圧と同位相となり、「有効電力」つまり「消費電力」に関係する。
リアクタンス(記号:X)(Xc,XL)
語源はリアクション。コイル、または、コンデンサが持っている「抵抗のようなもの」を示す。
直流回路では、通常は出てこない。何故なら、コイルは単なる導線(短絡)であり、コンデンサは単なる非導線(開放)でしかないからである。
交流回路においては、電圧の変化に伴って、リアクタンスを持つ。
リアクタンスは、交流回路においては、電圧と90度異なる位相となり、「無効電力」に関係する。
リアクタンスは、インピーダンスの虚部に該当する。
コイル(誘導性リアクタンス)(記号XL)(係数の単位:ヘンリー)
電圧に対して90度遅れの位相となる。インダクタともいう。
周波数に「比例」して大きくなる。
コンデンサ(容量性リアクタンス)(記号Xc)(係数の単位:ファラッド)
電圧に対して90度進みの位相となる。キャパシタともいう。
周波数に「反比例」して大きくなる。
ここまでは、電気回路・電子回路の入門書によく出てくる。
以下は上記とは反対の意味を示すものである。
電気の流れやすさに関係する用語(単位:ジーメンスS)
単位がジーメンスのモノを3種類まとめる。
アドミタンス・アドミッタンス(記号:Y)
インピーダンスの「逆数」である。
つまり、インピーダンスが「電気の流れにくさ」の総体を示すものであるのに対して、「電気の流れやすさ」の総体を示す。
回路のコンダクタンス、サセプタンスを総じていう場合、アドミタンスという。
コンダクタンス(記号:G)
レジスタンス(抵抗)Rの逆数である。
「電気の流れやすさ」を示す。
コンダクタンスは、アドミタンスの実部に該当する。
サセプタンス(記号:B)(Bc,BL)
リアクタンスの逆数。
コイル、または、コンデンサが持っている「抵抗のようなもの」の逆数。
サセプタンスは、アドミタンスの虚部に該当する。
コイル(誘導性サセプタンス)(記号BL)
誘導性リアクタンスの逆数。
コンデンサ(容量性サセプタンス)(記号Bc)
容量性リアクタンスの逆数。
工業高校ではこういうものを普通に習っている
そう考えるとすごいよね。
社会に出たら偏差値などというきわめて限定的で歪んだモノサシの意味はなくなるんだが…
社会に出たら偏差値などというきわめて限定的で歪んだモノサシの意味はなくなるんだが…
私が中学生や高校生だった頃にも、熾烈な受験戦争はあった。
何しろ、同世代が200万人以上居る世代である。
現代の倍近く居る。
なので、私の時代にも偏差値というモノはあった。
しかも、現代に比べて、大学の数は多くなく、全体的に狭き門であった。
私の世代は、仮に現役で大学に進んで4年間で卒業した場合、バブル崩壊直後の「就職氷河期」に突入していた。
いくら偏差値が高い大学を出たとしても、就職できない人は就職できなかった。
一方で、大学に進まなかった場合でも、就職できる人は就職できた。
私の世代は、受験の時に偏差値のような人間性を全く無視したペーパーテストのみの相対値に、確かに一喜一憂もしたし、翻弄されてもいたが、その一方で、こうも考えていた。
「偏差値なんかで人の価値が決まってたまるか」
高学歴の人も、そうでない人も、少なくとも私くらいの世代の人は、そんな風に考えていたと思う。
この世代の行き過ぎた偏差値教育の反省が、後のゆとり教育世代につながっている。
上記のような時代。
受験時のペーパーテストからしかわからない偏差値というものと、就職のことを、そんなに関係づけて考えてはいなかったと思う。
大学・短大・専門学校など、高校より上の高等教育を行う学校に対して、何故、行きたいと思っていたか。
やりたいことを見つけるという人もいた。
勉強がしたいという人もいた。
でも、例えば高校生の時点から、どこかの有名大企業に就職したいとか、そんなことを考えている人は、いただろうか…。
そんな事は、就職活動のときに考えれば良いことで、そして、そのときにしか考えられないはずだ。
「就職は個人戦であり個別論しかない」という事が何故わからない?
日本の大学は、はっきり言って、入試に手を抜いている。
欧米の大学は、その学校ごとに個別の入学基準があって、ペーパーテストだけではなく、面接などで人物を評価して入学させている。
学生のときから興味がある分野に熱中して、ペーパーテストの勉強などが疎かになっているような人物でも、突出した光るものを持っていれば、入学できる。
日本では、ペーパーテストしかしない。これでは人物評価など絶対にできない。
高校二年とか、高校三年とか、特定の時期の、とある一日のペーパーテストの点数の高低でのみ判断している、この仕組みは、手抜きなのである。
今日も、下記のような、ある意味非常にくだらない質問がネットにあがっている。
W大学に落ちてしまい、M大学には合格しました。M大学に現役で入ると就職に不利でしょうか。 浪人した方が良いでしょうか。
だいたい、例えば、下記のような事例を考えた場合…
一流大学を出て有名大企業に総合職として就職し、現業は常に委託して上辺だけの経験を積んで、社内異動をくりかえして、社内ゼネラリストになって行く
非一流の学校を出て専門職の会社に就職し、その道のスペシャリストになって行く
これも極端な例ではあるが…
どちらが本当に、自分に合っていて、幸福な道なのか。
そういうことを就職活動や、学生時代に見極めることの方がはるかに重要である。
決して、「年収がー」とか「勝ち組がー」とか、そんなくだらないことにこだわる事が重要ではないと思うのだが…。
まぁ、世間を知らないんだよな。
学歴がーとか偏差値がーとか、もう一生やってろと言いたくなる。
「第四級海上無線通信士」(四海通)を受験してきた
「第四級海上無線通信士」(四海通)を受験してきた
平日なのではあるが、休暇まで取得して受けてきた。
「第四級海上無線通信士」(四海通)
知らない人からすると、「四級」というと最下位ランクに見られると思うが、一応、「第二級海上特殊無線技士」の上位資格に位置づけられている。
確かに、「一陸特」などと比較すると、超マイナーであり、取得するメリットもあまりないのであるが。
先日受けた「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)も、おそらく合格していると想定される。
後は「海上無線」をひとつ取りたかったのである。
前回の一陸特受験のときもそうであったが、最近は体調が万全ではなかったり、仕事の方の負荷がとても高くなってきており、非常にストレスフル状態であるため、勉強ができていない。
今日の四海通も、ほぼ無勉強で臨むという状況になってしまった。
無線工学は一陸特よりは少し易しいレベルだが、7割ラインが高い
一陸特よりも計算問題がほとんど出ないため、一陸特レベルの知識があれば、何とか対応可能であると感じた。
ただし、合格ラインが陸特などと違って、7割正答となっている。
この1割の差は侮れないと感じた。
法規は陸特よりもかなり難しい
法規は難しかった。
陸特や航空特などの、特殊無線技士の法規とは一段レベルが高い。
今回は法規は合格点に達していないかもしれない。
「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」はウソであることを示す簡単な計算
「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」はウソであることを示す簡単な計算
ブログでこんなことを言うのも説得力が出ないとは思うが、はっきり言って、インターネットにはウソの情報があふれている。
いまの季節、ちょうど受験期であるためか、「A大学は就職に有利ですか」とか、「B大学は負け組ですか」などという、質問している方は真剣だとは思うが、ある程度の社会経験を積んだ社会人からすると稚拙な質問が、ネットにはよくあがる。
「学歴や学校名が就職にまったく影響しない」なんてことは言うつもりはない。
影響は絶対にある。それは確かである。
だが、いくら言ってもそれは一般論の域を出ないのである。
企業側もバカではない。そして組織の多様性も考えている。
学歴や学校名だけで選考しているような企業は少ない。
それは、簡単な計算でも求めることができる。
2017年段階での20歳人口は、約126万人である。
仮に、昨今の大学進学率の高さを考慮して、そのうち、60万人が大学に進学し、全員が卒業するとする。(仮定)
一方、日本には、約420万社もの企業が存在し、そのうち、大企業と定義されている企業は1万2000社である。
企業数から考えると、大企業は非常に狭き門であると思える。
しかし、従業員数も大企業は多い。
そのため、日本企業の全会社員数が約4000万人であるのに対し、大企業の会社員は1200万人もいる。
この、1200万人を、仮に30年分で割ってみると、約40万人ということになる。
40万人を、大企業数1万2000社で割ってみると、約33人。
つまり、大企業が一社あたり平均33人を定期採用すると仮定しても毎年40万人となる。
実際には、一社あたりの採用人数はもっと多いように思える。
上述した、60万人の大学卒業者に対して、大企業だけで40万人以上の採用がある。
いわゆる一流大学の卒業生は40万人には遠く及ばないだろう。
こうした簡単な数字だけを見ても、「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」という風評は無理があると言える。
(大企業=一流企業という仮定をした上での話)
そもそもの話として、大企業や一流企業に入ることが、その人にとって本当に幸福なのかはわからない。
むしろ、そうではない場合の方が多いようにも思う。
大企業は官僚化が進んで、自分の手では何もできない人を生産している気がするからである。
(スピーチ動画紹介) 2014年9月 植松努さんのTEDxSapporo
(スピーチ動画紹介) 2014年9月 植松努さんのTEDxSapporo
最近、私の中に様々なもやもやとしたものが発生していた。
この動画を視聴して、かなりスッキリとした気分になれたように思う。
人によって感じ方は様々であろうけれど、勉強することへの考えとか、生きることへの考えとか、そういった部分をとても刺激された。
2014年と言えば、その頃の私は長期休職中で、ボロボロだったと思う。その頃の自分にも見せたいと思える内容である。
いまから4年近く前のスピーチだそうであるが、未見の人には是非、一度は見て欲しいと思い、紹介したい。
(下記の植松さんのブログ記事内に、YouTube動画へのリンクがあります)
tsutomu-uematsu.hatenablog.com
「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)を受験してきた
「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)を受験してきた
おそらく数ある無線従事者免許の中で、社会的な需要が最も高いと思われる、「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)の国家試験を受けてきた。
この「一陸特」は、業務特化型の限定免許であるところの「特殊無線技士」の中では、異例の難易度の高さと言われている。
もっとも、無線従事者の中での最高峰の「第一級/第二級陸上無線技術士」や「第一級総合無線通信士」などに比べると、全く難しいとは言えず、無線従事者の中では「中堅レベル」の難易度なのではあるが。
何故、社会的需要が高いかと言うと、「デジタル多重無線」「マイクロ波以上の高周波数の電波」を扱うことができる免許だからである。
具体的には、衛星通信、携帯電話通信、放送局の中継車の無線局などが扱える。
一応、確定情報ではないが、非公式の「のぞみテクノロジー」さんの解答速報によると、何とか合格している可能性が高い。
実は、一週間前に本格的に風邪で体調を崩してしまい、ラストスパート的な勉強がほとんどできなかった。
今月は、マイナーな無線従事者試験である「第四級海上無線通信士」も受験予定である。コチラのほうがマイナーではあるが、「海上無線通信士」であり、海上特殊無線技士よりも上位の資格になる。
電気通信主任技術者(伝送交換)試験を受けてきた
電気通信主任技術者(伝送交換)試験を受けてきた
知名度もいまひとつであるし、保持しているからといってものすごい特典があるわけではないけれど、それでも国家資格。
寒空の中、一日受験してきた。
本当に寒くて、試験会場の教室の中でもコートを着て受験した。
ちなみに、同一会場にて、ファイナンシャルプランナー技能検定試験もやっていた模様。
正直言うと、最近は仕事のストレスが高まり、勉強ができていなかった。
それに、昨年の10月に受験申請をした時には、「専門的能力」を深く考えず「データ通信」にしてしまったが、後からいろいろ調査したところ、全体の半数の人が「データ通信」を選択している傾向があるため、純粋な難易度は高め傾向であるらしいと知った。
「伝送交換」試験での「専門的能力」は、以下の5科目からの選択となる。
伝送
交換
無線
通信電力
データ通信
まぁ、この科目の中では、確かにデータ通信に偏るよなぁ。
しかし、データ通信、伝送、交換、の三科目は有線通信分野の共通問題がどのみち含まれるのである。
比較的、穴場の科目は、無線、通信電力、であるそうだが…。
そう思っていた訳であるが、勉強不足の状態で受験してみたら、やっぱりデータ通信の科目が最も手応えは良かった。(合格したとは言っていない)
OSの問題やCPUの問題も出た。
やはり自分の専門領域の地力がいざという時は出る。
せめて1科目だけでも科目合格したいものだ。
ちなみに、いわゆる基礎科目として存在する「電気通信システム」(電気回路、電子回路などを含む)は、「工事担任者」の資格を取得して免除を狙う人が多いと聞く。
今日受けてわかった。工事担任者からの免除の方が楽である。
(私もつい最近、工事担任者DD第一種の正式な合格通知を受けたので、次回からは免除で行こうと思う)
就職に強い学校になどこだわるな。他人と比較するな。
就職に強い学校になどこだわるな。他人と比較するな。
某知恵袋掲示板などには有象無象の質問が掲載され、有象無象の回答が掲載されている。
特に回答内容は本当に玉石混交(ほとんどが石だが)であり、間違った情報にあふれている。
もっとも、間違った回答の元凶には、そもそもの質問の質が悪かったりするのであるが。
A大学はB大学より上ですか下ですか
A大学はB大学より就職に有利ですか
このような、私から言わせれば非常にくだらない質問があふれている。
非常にくだらなく無意味な質問だと私は思う訳だが、質問している方は、おそらく真剣なのである。
(質問しているのは高校生または大学生だと思われる。社会人でこんな事を質問しているようなら救いがない)
私がくだらない質問だと思う理由はいくつもあるが、敢えて代表的なものを挙げるなら以下の理由がある。
質問の主体が大きすぎて正確な回答が得られない質問になっている点
質問の内容が漠然としすぎて正確な回答が得られない質問になっている点
質問の背景に「他人との相対的な比較」がある点
そもそも、正しい回答が欲しい場合は、正しい回答をしやすい質問をしなければならない。
他人との比較は無意味
Cさんは有名大学を卒業し国内でも有名なメーカーの営業職に就職しました。その後、全国を転々と異動し、様々な仕事を経験しました。
Dさんは専門学校を卒業しある特殊業界の中小企業に技術者として就職しました。大手企業の請負で特定の技術力を伸ばしました。
Eさんは地方私大を卒業し大手の出版社を志望しましたが、叶わずに中小編集プロダクションに就職しました。大手からの請負仕事でしたが実際に編集作業を行う機会が多く、現場力を伸ばしました。
例えば上記の三例(架空)を挙げた場合、どの例がいちばん「成功」で、どの例がいちばん「失敗」と言えるだろうか。
言えない。
言えるはずもない。
人によって幸福の尺度は違うし、やりたい事も違うし、やってみたら実は向かなかったとか、または向いていたとか、そういう事もある。
就職活動は個人戦
日本で最も難関と言われている東京大学を卒業したとしても、志望した就職先の面接で落ちることはある。
無名の大学を卒業したとしても、大学で学んだり活動したりしたことが評価されて、就職が希望通りに進むこともある。
そして、就職活動時に第一志望の就職先に入れなかったとしても、第二志望の会社の方が、入ってみたら自分には合っている場合だってある。
これは、無論、就職活動だけではなく、進学先の選び方にも言えることである。
他人と比較するな!
ネットにあふれる間違った情報に振り回されることはない。
基礎固めが最も時間がかかるし効いてくる
基礎固めが最も時間がかかるし効いてくる
昨年から非IT系分野として「電気」「通信」「無線」などの領域の勉強を本格的に開始した。
厳密な意味では「通信」や「無線」の世界はICTという意味ではIT系分野とも言えるが、世の中の多くの「ITエンジニア」は、いま私が勉強している「通信」「無線」の事は知らないはずだ。
情報処理技術者試験などのIT系国家試験では、その基礎分野としては「論理回路」「情報セキュリティ」が重複するくらいである。
「論理回路」の背景には「電子回路」の知識が本来なら存在し、「電子回路」の背景には「電気回路」の知識が本来なら存在する。
「情報セキュリティ」の背景にも「数学における素因数分解」「暗号化技術」の知識が存在する。
だが、特に「電気工学」「電子工学」関連を知らないITエンジニアはたくさん居る。(暗号化技術の基礎である素因数分解や楕円曲線についても知らない人は多いだろう)
別にそれでもかまわないのだが、事実である。
気になった質問
インターネット上の質問サイトには、「そんな事を他人に聞くなよ」と呆れるばかりの質問や、まったくウソだらけの回答があふれるほどある。
そうした質問の中に、要約すると下記のような質問があった。
理系の大学生です。理系はもともと苦手だったためか専門科目について行く自信がなくなったので、中退して、似たような分野の専門学校に行きたいです。
私も昨年、電気系の資格では最も難易度が低いと(一般的には)言われている「第二種電気工事士」の筆記試験に落ちてしまった。
この時に感じたのは、
電気の知識には数学が必須であり、普段から計算問題などに慣れていないと厳しい
数学は積み重ねの学問領域なので、中学レベルの基礎ができていない(または忘れている)と高校レベルの数学もまったくできない
電気も数学も、最も初歩的な部分の理解に最も多くの時間を要する
…という事である。
上述の大学生が何故、理系科目を苦手だと感じるのか。
それは、大学レベルの理系(数学・理科)以前に、中学・高校レベルの理系科目の基礎がおろそかになっているためではないだろうか。
そして、その基礎がおろそかになっている状態のまま、仮に中退して専門学校に入り直したとしても、その分野が似たような理系分野であれば、同じ壁にぶち当たるのではないだろうか。
勉強には便利なショートカットは存在しない
いちばん時間を要する基礎固めをショートカットして応用分野の知識の上辺だけを覚えたとしても、それは本当の学力ではない。
基礎がわかっていない人が、応用などできない。
それはどの領域でも同じだ。
だから私は、基礎固めをしっかりやって行きたい。
放送大学で勉強することにした。
放送大学で勉強することにした。
資格試験の勉強も、そもそも自分はなんの為にやるのだろうか。
いま現在の仕事にすぐ必要という理由ではなく、むしろ、5年後、10年後を見据えて、勉強をして自らの社会的な価値を高めたいと思う。
おそらく、それが最も俗な理由である。
団塊世代が本当の意味でリタイアして、更に、就職氷河期世代が高齢になってくる時代が、もうすぐ来る。
既に日本社会は一億総中流では無く、一部の上流と多数の下流に分断された、格差社会になっている。
その流れが、ますます加速するだろう。
生涯学習の重要性と放送大学
いろいろと通信制大学の資料を調べてみた。
通信制大学では、かなりの割合が「福祉系」「心理学系」「経営学系」で占められている。
「IT系(情報系)」もあるにはあるが、ごくわずかである。
それに、私が最も学習したい「自然科学系」の分野は、殆ど無い。
唯一、他の通信制大学とは規模も教員の質も別格で、自然科学系も学べる、という大学がある。
それが、放送大学である。
放送大学は、学生数も数万人規模であり、実は日本のマンモス大学といって良い。
教員の方の多くは東京大学などの大学教員を歴任された人である。
純粋に「勉強がしたい」という思いに、合致していると思われた。
今年の抱負に替えて。
自分のペースで頑張ろう。
総務省の通信系国家資格(無線従事者免許ほか)侮り難し!
総務省の通信系国家資格(無線従事者免許ほか)侮り難し!
電気通信設備の工事担任者の資格者証が昨日、届いた。申請を出して一週間だ。
総務省も仕事が速い。
さて、標題の件である。
総務省が管轄する通信系・ICT系国家資格としては、下記のようなものがある。
いったい何が「侮り難し」なのか。
それは、知名度は正直言ってイマイチなのであるが、下記の特徴がある点である。
法律の下で身分が証明される「終身免許」であり「業務独占資格」である
中級以上の試験になると必要な知識レベルが極めて高度になる
取得後も自覚を持ち技術を高める努力をすることが義務として明文化されている
例えば、知識レベルとしては中級クラスとされ、無線の上級クラスへの登竜門として位置づけられている、「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)の試験範囲の中から、トピックを紹介すると、下記のようなものがある。
音楽CDの音質を「原音に最も近い」と思っているとしたらそれはデジタル技術者としては恥ずかしい
CD(コンパクト・ディスク)が生まれてから30年以上が経過し、その後の音声データ非可逆圧縮技術(MP3等)の浸透から、CD音源はその圧縮前の音源として、いつの間にか「高音質」であるという印象が浸透している。
だが、CD音源は具体的にどの程度「高音質」なのか。いわゆるハイレゾ音源とはどう違うのか。説明できる人は案外多くない。
(1) デジタル化とは
CD音源は、デジタル信号である。
デジタル信号であるという時点で、それは「原音」データでは無い。
アナログデータである素の音声データを、PCM(パルス・コード・モジュレーション)という手法によって、デジタル化する。
PCMの手順は、「標本化(サンプリング)」「量子化」「符号化」という三段階を経る。
CD音源の代表的な規格はCDDAである。
それは、
44100ヘルツ(周波数)で標本化(サンプリング)
16ビット(65536レベル)で量子化
するというものである。
(2) サンプリング定理
「シャノンの標本化定理」(サンプリング定理)とか「ナイキスト周波数」など、言葉はいろいろある。
元々のアナログ信号をデジタル化する時に、最低限、どのくらいの周波数でサンプリングを行う必要があるか。
これは、昔からサンプリング定理として数学的に証明されている。
(サンプリング定理)
原信号に含まれる最高周波数の2倍以上でサンプリングすれば、少なくとも原信号の形は保たれる
逆に言えば、デジタル信号の周波数の2分の1を超える周波数音源は、再現できない
サンプリング定理/エイリアシング - DSP の基礎・トレーニング - TI
(3) 人間の可聴域
一方で、人間の耳が音声を識別できる周波数の範囲は、だいたい以下であるとされている。
- 20ヘルツ ~ 20000ヘルツ
年齢によってこれは異なり、加齢と共に、上記の範囲は狭くなる。
一般的な大人の中年くらいの人であれば、200~16000ヘルツくらい聴こえれば良い方である。
(4) CDのサンプリング周波数の根拠
上記の「サンプリング定理」と「人間の可聴域」から、以下の事が言える。
- 人間の可聴域を考慮すると、可聴域の最高周波数20000ヘルツが最低限再生できる周波数でサンプリングできれば、理論上は人間の耳では違いはわからないレベルになる
20000ヘルツを最低限再生できるサンプリング周波数は、その2倍の40000ヘルツである。
CDのサンプリング周波数は44100ヘルツである。
ざっくり言うならば、これがCDのサンプリング周波数の根拠である。
(5) ハイレゾにこだわる人は可聴域の外側も重視している
ここではハイレゾについては詳細は書かないが、ハイレゾ音源にこだわっている人は、上記の「人間の可聴域にギリギリ収まる範囲の周波数」というものに対して、「高音質」とは思っていない人なのである。
可聴域よりも高い周波数で、空気は振動している。(人間には聴こえないが)
それが音質に影響があるという事である。
(ただし、上記したような理屈を「ちゃんとわかっている」人に限る。ちゃんとわかっていないで、ハイレゾの方がCDよりも音質が良いと言っているのは、恥ずかしい事である)
これは音楽の知識ではなく情報のデジタル化の知識である
上記に軽く書いた事項は、「第一級陸上特殊無線技士」(一陸特)の試験範囲の「ごく一部」である。
それも、内容的には簡単な部類に入る。
この試験で最も難しいのは、電気回路・電子回路、及び、デシベル計算等の計算問題であろう。
ほかにも無線通信・人工衛星通信の知識も範囲となっている。
「電気通信主任技術者」(伝送交換・線路)は、上記の「一陸特」よりもはるかに難しい。
そして「第一級・第二級陸上無線技術士」(一陸特の上位資格)は、無線工学に特化すれば、更に難しい。
知名度はいまひとつであるが、世の中にはこのような世界もある。
来年は頑張りたいと思う。
資格/試験 取得一覧 (2017年まで)
資格/試験 取得一覧 (2017年まで)
SEQ.取得年 資格/試験名称
01 1991年 情報処理能力認定試験A級
02 1991年 第二種情報処理技術者試験
03 1995年 第一種情報処理技術者試験
04 1995年 パーソナルコンピュータ利用技術認定試験4級
05 1995年 パーソナルコンピュータ利用技術認定試験3級
06 1997年 パーソナルコンピュータ利用技術認定試験2級
07 2000年 ORACLE MASTER Silver 7/8 共通 (旧制度)
08 2003年 IBM DB2グローバルマスター・エンジニア
09 2003年 IBM DB2グローバルマスター・エキスパート(管理)
10 2004年 UMLモデリング技能認定試験レベル1 (UMTP L1)
11 2008年 Cosminexus認定アプリケーション・エンジニア
12 2008年 Cosminexus認定プラットフォーム・エンジニア
13 2008年 Cosminexus認定アプリケーション・スペシャリスト
14 2008年 Cosminexus認定プラットフォーム・スペシャリスト
15 2009年 UMLモデリング技能認定試験レベル2 (UMTP L2)
17 2017年 ORACLE MASTER Bronze Database 11g
18 2017年 ORACLE MASTER Silver Database 11g
19 2017年 無線従事者 第三級陸上特殊無線技士
20 2017年 無線従事者 航空特殊無線技士
(工事担任者DD第一種は、現在全科目免除申請中)
こうして見るとまだまだ全然足りない。
来年はさらなるレベルアップを目指したい。
パーソナルコンピュータ利用技術認定試験なんて、昔はけっこう難しい試験だったのに、結局主催団体(パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会 パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会 - Wikipedia
)が消滅してしまった。