IT (情報技術) 学習記録-もしくは中高年(就職氷河期世代)の生き方-

IT系,または,電気通信系資格の学習記録を中心に。もしくは中高年(就職氷河期世代)の生き方,働き方,世の中。中高年の転職の現実。

電験は強い資格…特高の電気主任技術者に選任されて思うこと


電験は強い資格…特高電気主任技術者に選任されて思うこと


2021年度(2021年4月以降)になり、当ブログの更新も疎かになっていました。

電験は本当にいろんな意味で「強い」資格だなぁ…と感じます。

その理由は後述します。


未経験で異業界異業種への転職をして2年目。

けっこう、2年目の苦しみを味わいました。まだ継続中です。

ビル設備管理の世界は、現場が変わるとイチからその場所の様々なことを覚えなければならない割に、けっこう人事異動が多いです。

まだまだ知らないこと、できないことのほうが圧倒的に多い未熟者

である私ですが、新たに配属されてきた人に対して、「業務を教える」ということをしなければなりません。

1年目も苦しかったですが、ある意味では2年目のほうが苦しいです。

よく、「仕事は3年は続けたほうがよい」などと言います。

これも、こうした2年目の苦しみなどを経験した方が良いということなのでしょう。


そして、さらに2年目の私に起こった大きなこととしては…


特別高圧受電の「電気主任技術者」に選任されてしまいました


あろうことか、自分が勤務するビルの所長が急きょ異動となり、「電気主任技術者」の免状を持つ人間が、自分だけとなってしまい…

特別高圧受電の「電気主任技術者」に選任されることになってしまいました

このブログにも過去記事で書いていますように、もともとはシステムエンジニア

もともとは学生時代からIT系の、設備管理はド素人の人間です。

実際に昨年から、ビル設備管理業界に入ってみて思うことは、

電気主任技術者なんて、ペーパー試験合格だけの未経験者には、いきなり務まるわけない」

ということでした。

正直、いきなり電気主任者の選任の話をされたときは、内心では「冗談じゃない!」と叫びたかったです。


電気事業法などの法律においては、電気設備の一大イベントである、ビルの全館停電を伴う「年次点検」をはじめ、その需要場所における工事・点検のすべてについて、選任された電気主任技術者の指揮監督のもとで行うことになります。

万が一、事故が発生した場合には、その対応が求められることはもちろん、一義的な責任も電気主任技術者の責任になります。

そのほか、日々の安定的な電気設備の機能維持や、他の需要者への波及事故の防止や、自ビル側の各利用者への電気の安定供給の責任も背負うことになります。


こんな重大な責任。実務経験が不足している人間には無理。

そう思いました。(実は今でもその思いはあります)

正直、ガクブル状態です。


それでも電験免状保持者でなければ電気主任技術者にはなれない


現場経験では、自分よりも圧倒的に豊富な先輩社員もいます。

新たに所長になられた方も同様です。

自分などよりも、あらゆる面で経験は上です。

(自分が経験不足なことは、誰よりも自覚しています)

それでも、法律のうえでは、電験免状保持者でなければ電気主任技術者になれません。


電気主任に選任されて以降、以下のことを経験しました。

  • (1) 他現場が人手不足となり自現場から人の引き抜き(異動)の話があがったが、自分は電気主任であることを理由に対象から外された

  • (2) 他現場への補勤(要は一時的な助っ人要員)の話があったときも、上記と同じ理由で対象から外された

  • (3) 自社で行う電気設備の月次点検は、シフト上、自分が出勤する日に行うことになった

  • (4) 年次点検の委託会社からは、電気主任として扱われた

  • (5) 停電を伴う年次点検では、電気主任としての振る舞いを求められた

  • (6) 受電設備の点検や更新などの工事のときも、電気主任として監督を行った

  • (7) 遅まきながら自現場の受電設備について嫌でも学習し知るようになってきた


異動の話が良い話か悪い話かは状況によりますが、

上記の(1)(2)では、電気主任であることにより、他現場への異動から守られているとも言えます。

別に役職などにより偉くなったわけでも何でもないのですが、

良くも悪くも自分が電気主任であることが理由で、その月の点検計画も、自分の出勤シフトから影響を受けるようになりました。

そして、望むと望まざるとに関わらず、電気の点検や工事を行う委託会社などからは、電気主任として接せられる(逆に言えば電気主任としての振る舞いを強制される)ことになります。

また、(7)でも挙げましたが、嫌でも自分の現場の電気設備について学習することにもなりました。

(いや、まだまだ全然、知識不足なことを自覚していますが…)


良いことか悪いことかはさておき…

電気主任技術者として選任されたことにより、

自分自身も、周囲の人間や会社も、影響を受けたということになります。

そして、法律のうえでは、

電験免状保持者でなければ選任の電気主任技術者にはなれないのです。


電験は強い資格だと改めて思います


未来のことはまったくわかりません。

来年の今ごろ、果たして同じ仕事、同じ会社に在籍しているか…

本当にわかりません。

それでも、年齢で言えばだいたい50歳という自分ですが、

いまの会社を辞めても、贅沢な条件を付けなければ、転職先はあるだろうと思います。

これは、中高年の転職・再就職の世界がとても厳しい世界だという事実からすれば、とてつもなく幸運なことです。


電験も3種であれば、正直、その資格免状だけで、そこまで世界が変わることはないです。

(2種だと、資格免状だけで、けっこう世界が変わると聞きますが…)

それでも、上述したように、

電験免状保持者でなければ選任の電気主任技術者にはなれない

…という事実は、かなり大きく、重いです。


私は2年前までIT系企業に居て、IT系の国家資格やベンダー資格も合格してきました。

しかし、IT系の試験はすべて、いうなれば「免許」ではなく、「知識認定」としての試験ばかりでした。

電験電気主任技術者)のような、本当の意味での「免許」ではなかったのです。


kf7757.hatenablog.com


電験は、法的な拘束力のある「業務独占資格」「必置資格」です。

その影響力を、改めて実感したところです。

電験3種を取得した頃は、もう3種の勉強だけでもいっぱいいっぱいで、とても「その先」を考える余裕はありませんでした。

しかし、3種でこれだけの強さがあるのなら、2種だとどういう世界になるんだろう…?

…という興味は、最近になって徐々に湧いてきました。

まぁ、自分の今の仕事的には、次は「ビル管理士」(建築物環境衛生管理技術者)なんでしょうけれど…


電験3種は意味ないという情報に対する意見


終わりに、ネット上でよく見る「電験3種なんて頑張って取得しても意味ない」というネガティブな言葉への意見をしたいと思います。


電気主任の仕事自体が、あまり利益を発生させるような仕事ではないためか、

給料アップにつながるか? …というと、微妙です。

少なくとも自分は、前職のIT系(システムエンジニア)よりも大幅に収入は減少しました。

電験3種レベルだと、けっこう安い給料で使われている現状はあると思います。

電験2種以上だと、かなり希少価値が付くため、そこそこ高めのオファーもあるようですが…

何れにしても、責任に比較して、割りに合わないという意見も、間違いではないでしょう。


電験を試験合格して取得しただけでは、実務経験がないため、意味がないという意見。

これも、半分は正解だと思います。

何より、いまの自分自身が強く感じています。試験に合格しただけの人間には務まらないと…

なので、高圧受電設備の点検を専門に請負う電気保安会社では、未経験者はなかなか採用されません。

しかし、そもそも電験の考え方としては…

電気主任技術者の免状を取得してからがスタート

…なのです。

どのような仕事も実務経験がない人には務まらないのは同じです。

しかし、電験の主催者や経済産業省の側の考え方としては、

電気の基礎知識を持っていない人(電験の免状不取得者)が実務を行い事故を発生させる

…ということを、最も恐れているのです。

なので、電気保安の実務を行ううえでも、まず電験の資格が必要であり、

持っていない人が電気保安会社にいるのなら、「まずは電験の免状を取れ」ということになります。

電験の免状を持っているということは、スタートラインに立つということなのです。


ネガティブな情報を、けっこう認めてしまっているような気がしますが…

それでも、私は、電験はとても強い資格だと思います。

この記事の前の方でも記しましたが…

就職事情がとても厳しい中高年であっても、「電験」+「選任経験」があれば、ぜいたくな条件を付けなければ、就職先がないということはありえません。

そして、そもそも選任には免状が必須であるため、未経験者でも、免状を持っている場合は、相当に有利だと思います。


将来的に、電気設備は増加するのにも関わらず、3種を含めた電気主任技術者は不足するというデータがあります。

現在、直近で特に不足感が強いのは、郊外にある太陽光発電設備などの66kV級の設備なので、2種が不足していると言われています。

しかし、22kV受電設備などから、上記の66kVなどに2種人材が引き抜かれることや、保安協会が抱えている3種人材も高齢化が進んでおり、数年後には後期高齢者になることによる大量退職も予想されています。

上述の通り、単に免状を取得しただけでは、すぐに実務を行えない仕事だということは、逆に言えば、早い段階から免状だけでも取得しておいたほうが良いとも言えるのです。


jhk-or.jp


xtech.nikkei.com


自分は本当に、実務経験はほぼない、電気主任としてはまだまだの人間であることは自覚しています。

経験も知識も不足していますし、メンタルも強いわけではありません。

なので、この先、いまの仕事を続けていけるかもわかりません。

こんな私ですが、法的には特高設備の電気主任に選任されています。

経験豊富な他の電気主任の皆さんからすれば、お叱りを受けるような内容かもしれません。

それでも、こういう電気主任も居るんだということを発信することにより、誰かのご参考になれば幸いと思い、記した次第です。


2021年度は、精神的にも資格取得を頑張る状況ではありませんでした。

来年は、少しは頑張りたいと思っています。


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