「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」はウソであることを示す簡単な計算
「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」はウソであることを示す簡単な計算
ブログでこんなことを言うのも説得力が出ないとは思うが、はっきり言って、インターネットにはウソの情報があふれている。
いまの季節、ちょうど受験期であるためか、「A大学は就職に有利ですか」とか、「B大学は負け組ですか」などという、質問している方は真剣だとは思うが、ある程度の社会経験を積んだ社会人からすると稚拙な質問が、ネットにはよくあがる。
「学歴や学校名が就職にまったく影響しない」なんてことは言うつもりはない。
影響は絶対にある。それは確かである。
だが、いくら言ってもそれは一般論の域を出ないのである。
企業側もバカではない。そして組織の多様性も考えている。
学歴や学校名だけで選考しているような企業は少ない。
それは、簡単な計算でも求めることができる。
2017年段階での20歳人口は、約126万人である。
仮に、昨今の大学進学率の高さを考慮して、そのうち、60万人が大学に進学し、全員が卒業するとする。(仮定)
一方、日本には、約420万社もの企業が存在し、そのうち、大企業と定義されている企業は1万2000社である。
企業数から考えると、大企業は非常に狭き門であると思える。
しかし、従業員数も大企業は多い。
そのため、日本企業の全会社員数が約4000万人であるのに対し、大企業の会社員は1200万人もいる。
この、1200万人を、仮に30年分で割ってみると、約40万人ということになる。
40万人を、大企業数1万2000社で割ってみると、約33人。
つまり、大企業が一社あたり平均33人を定期採用すると仮定しても毎年40万人となる。
実際には、一社あたりの採用人数はもっと多いように思える。
上述した、60万人の大学卒業者に対して、大企業だけで40万人以上の採用がある。
いわゆる一流大学の卒業生は40万人には遠く及ばないだろう。
こうした簡単な数字だけを見ても、「一流企業には一流大学を卒業しないと入れない」という風評は無理があると言える。
(大企業=一流企業という仮定をした上での話)
そもそもの話として、大企業や一流企業に入ることが、その人にとって本当に幸福なのかはわからない。
むしろ、そうではない場合の方が多いようにも思う。
大企業は官僚化が進んで、自分の手では何もできない人を生産している気がするからである。