技術の不変性・普遍性について …そしてこれからの日本について
技術の不変性・普遍性について …そしてこれからの日本について
誤解のないように言っておくと、良くネットなどで目にする『この分野を極めていれば一生安泰だ』とか『この資格を持っていればお金に困らない』とか、そんな事は、もはや幻想だ。
そんな事はない。うそだ。
ありえない。
最近、話題となった下記の記事にもあるように、もはや日本は先進国家ではないのだ。
www.from-estonia-with-love.net
少子高齢化が世界で最も速く進み、年金だけで生活する事など、大多数の人はできなくなるだろう。
つまり、生涯現役で労働しないと生きて行けない社会になろうとしているのだ。
まだ社会制度がその現実についてきていないのだが……。
IT業界における技術の不変性・普遍性について
前項で述べたことを肝に銘じて、お読みいただきたい。
決して、『これだけやっていれば』などという甘い世界は、既に存在しない。
それでも、技術の不変性・普遍性については、下図のような傾向はあると思われる。
これも誤解のないように言っておくと、右方向のデータリソースに近づく方向の中には、単なる『IT汎用スキル』としてのデータベース知識だけではなく、その中に格納される、具体的な業務データそのものの知識や、それらを適正にデータモデリングする知識が含まれてくる。
つまり、「純IT技術としてのDB知識にだけ興味を持ち、ユーザー側の業務知識やデータ知識などに興味はない」などという姿勢では、通用しないという事である。
業務システム系とWeb系とでは、カルチャーが異なる部分も多いようであるが、Web系では既に『技術の早期陳腐化』『過当競争』が発生している。
(関連過去記事)
なお、あいかわらず不人気でかわいそうなCOBOLであるが、私の観測範囲では、まだまだ全然、現役で稼働中である。(新規開発もある)
日本のこれからについて
経済産業省あたりでは、東京オリンピックが開催される2020年までに、セキュリティ人材を含むIT人材が数十万人も不足する、などと言っている。
私はそれに対しては、少し疑問を持っている。セキュリティ人材は確かに必要だろうが、セキュリティ特化型の人材だけが増加しても、たぶんダメなのだ。
セキュリティというものは、それだけで何かを生み出す性質のものではない。あくまでもITインフラを支えるひとつの領域なのであり、それ単体で語られるものではないと思う。
「セキュリティだけ」とか、「IT汎用スキルだけ」とか、そういった特化型の人材は、よほど先鋭的でズバ抜けたモノを持っていなければ、淘汰されて行くのではないだろうか。
私は、IT系よりも、もっと人材が不足しそうな領域に心当たりがある。
『電気』『設備管理』などといった、インフラ系の分野である。
日本は、急速に少子高齢化が進み、そうなるとこれまで都市部にニョキニョキと建てられてきたマンションやビル、商業施設などが、一気に空家問題に突き当たるのである。
これらの建物や設備の管理をする人材が、圧倒的に不足することだろう。
私はいまでも、東京オリンピック開催には反対である。
日本には、既にそのようなお祭り騒ぎをしている余裕はない。
オリンピックに1兆円を費やすのならば、それを就職氷河期世代や、現在の非正規労働者たちの雇用問題に投入したほうが、よほど日本は延命されるだろうと思っている。
…まぁ、そういう訳で、私もオラクルマスターの勉強とか、電気関係の勉強とか、進めていかないとなぁ…。