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IT (情報技術) 学習記録

主に情報処理技術者試験、オラクルマスター、Linux技術者試験(LPIC)等の、IT系、または電気系の学習記録を中心に。(働き方や世の中も)

就職氷河期世代を正しく見るにはざっくりとでもマクロ経済の歴史も見る必要がある(就職氷河期を忘れるなはごもっとも)


就職氷河期世代を正しく見るにはざっくりとでもマクロ経済の歴史も見る必要がある(就職氷河期を忘れるなはごもっとも)


少し言及するのが遅くなった感があるが、下記のはてな匿名ダイアリー記事、そしてそれに連なるトラックバック記事を読んで、私も一応、同世代であるため、共感する部分が多かった。

anond.hatelabo.jp

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私がどの世代に属しているかについては、ちょっと趣が異なるが、下記のエントリーをお読みいただけると、たぶんわかると思う。

kf7757.hatenablog.com

端的に言うならば、私は俗に言う「就職氷河期世代」(日本版ロスト・ジェネレーション)においては先頭近くにいる世代である。

または、「団塊ジュニア世代」とも呼ばれる。


私は、単なるシステムエンジニアでしかなく、経済学には決して明るくないが、標題のように、就職氷河期世代を正しく見るにはざっくりとでもマクロ経済の歴史も見る必要がある、と思っている。

それを、簡単に、本当に簡単に記したい。

なお、経済学は本当に素人なので、鋭いツッコミを頂いても応えきれないと思う。あしからず。


国レベルで発生したいくつもの要因が重なっている


おきたこと(超ざっくり)

  • 1971年~1974年生まれの人々は、年間で200万人を超えていた。第二次ベビーブーム世代である。(団塊ジュニア世代)

この200万人超過という人口は、現在(2017年)の2倍以上である。2016年の段階で、出生者数は100万人を割っている。

この世代のすぐ上は、『校内暴力』が席巻した世代であり、この世代自身もその収束期にさらされた。

中学から学区外の国立や私立の有名中学校に受験する児童が激増した。

高校受験、大学受験と『受験戦争』が最も熾烈となり、過当競争が発生した。


  • 1973年におきた「中東第4次戦争」により「第一次オイルショック」が発生し、物価の高騰(インフレ)が発生した。

日本の経済成長率ははじめてマイナスとなり、いわゆる「高度経済成長」時代が終わった。公共事業も激減し、大不況となった。

当時の大企業は、過剰な輸出攻勢(特にアメリカに対する「集中豪雨的輸出」)などによって、苦境をしのいだ。


  • 1979年~80年代前半には「第二次オイルショック」が発生し、世界的にインフレが進んだ。

日本では、日銀の金融政策が功を奏するなどして、第一次の時よりは景気への打撃は少なかった。

労働組合が企業との闘争路線ではなく協調路線に舵を切ったのもこの時代だといわれている。


  • 1985年の「プラザ合意」により、円高が一気に進行した。

円高によるコスト増加を防ぐために、日本の輸出産業は急速に人件費が安い東南アジアへと生産拠点を移した。

つまり、この時代から、既に日本国内における製造業の競争力は危機にひんしていた。

(この時代からITなどの新分野へのパラダイムシフトなどが起こっていれば、日本は全く違う国になっていたかもしれない……)


  • 1980年代後半は、日銀(つまり国)の金融政策(低金利)により、不動産などの資産価値が高騰し、バブル経済(バブル景気)となった。

本来であれば、円高の進行により、既に日本国内の製造業の価格競争力は失われており、この段階でパラダイムシフトや不況などが発生してもおかしくはなかったと思われる。

しかし現実には、莫大な金融資産が、不動産やゴルフ会員権などといったものに化けるだけの、幻の好景気に日本中が沸いた。

「イギリスの金融ビッグバン」「国鉄の分割民営化(JRの誕生)」「ベルリンの壁の崩壊」なども、この時代の出来事である。

『フリーター』(フリーアルバイター)が、その存在を知られるようになるのもこの時代である。

フリーターは、大昔でいうところの「臨時工」であり、単なる不安定労働者なのだが、それすらも何故か流行のように思われた


  • 1990年に、日本の株価や地下が大暴落した。バブル崩壊である。

当時の大蔵省(現代で言う財務省)が、銀行による不動産融資に規制をかけ、バブルを収束させようとした。短期金利も上昇させた。

そこで幻の好景気が一気に弾けた。

実際の株価暴落などの影響(不景気の影響)が、企業の新卒採用活動に出始めるのは、だいたい1~2年後になる。

そのため、新卒採用における、バブル時の過剰とも言われる売り手市場は、1992年までは続く事になる。


  • 1993年~2005年にわたり、『有効求人倍率』が1を下回った。

1993年からの数年間は、ちょうど前述した『団塊ジュニア世代』が社会に新卒者として出ていく時期と一致してしまった。

1990年のバブル崩壊以降、日本中が「不良債権」にまみれた。不良債権によって銀行がうまく機能しなくなり、銀行は金を貸さなくなり、『貸しはがし』なども横行した。多くの中小企業は倒産した。

1993年には経済成長はゼロになった

有効求人倍率の底は、1998年~2002年の5年間であり、この時期を『超氷河期』と呼んでも良いと思われる。

この超氷河期においては、既に社会で働いている労働者の給料も抑えられた。


  • 1996年に日本版の金融ビッグバン(金融自由化)がはじまる。(1996年~2001年)

不良債権問題でまだ深く傷を負っていた銀行や証券会社などの金融機関は、国際情勢などによって導入された金融ビッグバンにより、いよいよ存亡の危機を迎えた。

それまで絶対に潰れないものと思われていた大手金融機関(山一證券など)が破綻した

バブル崩壊後の『失われた10年』については、金融界だけの問題では説明できない、という指摘もある。

それでも、金融機関の破綻は、2003年まで続出する事になった。


  • 2003年以降には、一時的に数字の上では景気が回復基調になる。(求人倍率に反映されてくるのは2006年頃から)

2003年。バブル崩壊から12年が経過した頃になると、金融機関の再編などにより、数字の上では回復基調になったかに見えた。

それでも、前述のように、実際の景気の影響が、企業の新卒採用活動に出始めるのは、だいたい1~2年後になるため、『有効求人倍率』が1に回復するのは2006年であった。

そもそも『有効求人倍率』とは、あくまでも「ハローワークにおける2ヶ月間の求人倍率」の事である。2000年代に入り、ハローワークによる就職の割合は低下したため、就職状況を見る指標としての価値自体が低下してしまった。

また、2005年の時代には、労働者派遣法の改正などにより、いわゆる非正規雇用ばかりが増加する状況にあった。バブル崩壊直後の労働市場とは全く異なる状況になってしまっていた

更に、長引く金融不況時代のためか、正社員でもリストラという名の下にクビを切られる事が当たり前の世の中になってしまった


リーマンブラザーズの経営破綻として表面化した、アメリカ版のバブル崩壊が起きた。かつての日本のバブル景気前のように、急激な円高が発生した。

日本における労働市場は、これを理由に更に厳しさを増すこととなった。2008年~2013年まで、再び有効求人倍率は1を割り、特に2010年は、1999年頃の『超氷河期』に匹敵するレベルにまで低下した。


  • 2016年~現在

労働市場は、かつてないレベルの『売り手市場』になっている。少なくとも数字の上では。

しかし、上述のように、非正規雇用正規雇用との格差や分断が拡大しており、25年前の労働市場とは異なるものとなっている。


日本の昭和時代の『不良債権』を背負わされたような感じではないか

こうして、ざっくりとであるが、おきたことを列挙してみると、見えてくるものがある。

  • バブル景気がそんなに長かった訳ではなく、それ以前には円高による大不況もあった。だから昔は全自動で就職ができたかと言えばそれも違う。

  • しかし昔は不況下であっても法律の規制もあり、就職はあくまでも正社員が基本だった。

  • 就職氷河期世代の先頭世代は競争相手が多過ぎる中で過当競争を強いられて学生時代を送ってきた。

  • 上記世代は「日本が経済成長を停止した」時代にちょうど就職期を迎えた。

  • 上記世代より後の世代も「失われた10年」に就職期を迎え、「大卒者の行き場失い」によってもたらされた大学進学率の上昇時代により、格差や競争を広めていった。

  • 日本全体の社会情勢の変化や外国からの圧力(金融ビッグバンなど)、外国の経済不況(リーマンショックなど)によって、長すぎる低迷時代「失われた20年」がもたらされていた。

  • 本来であれば1980年代に、既に日本の製造業の輸出モデルは崩れていたので、そこでのパラダイム・シフトがなかった事が後々まで尾を引いているのでは。(これは単なる憶測)


バブルを爆発させたのは日本という国自体ではないか。

あの時期、あの1993年からの数年間に、バブル崩壊の影響を持ってくる必然性とは?

バブルを作ったのも国なら、バブルを爆発させたのも国である。

勝手な、個人的な解釈であるが…。

もしもの話は不毛だが、もしもこの世代が順当に社会に出て行けていたら、今の少子化問題も多少は軽減されていたのではないだろうか…。


この世代の問題は先送りだけではいつかは爆発する


1980年代の事など、自分がまだ子どもだった時代の事を書こうとすると、いかに自分が知らないのかを実感する。おそらく、今の若い世代にとっては、1990年代の事などは、子供の頃か、もしくは生まれる前の事なので、確かに知らないのも無理はないのかな、とも思う。

若手はともかく、今の時代に政治・経済のトップにいる人々には、ちょうど自分たちが働いていた時代の事のはずだ。時代や世代が抱える問題の本質が、見えていないはずがない。

例えば「ひきこもり」世代の主流は、もはや40代~50代なのだ。

上記はほんの例えだ。一例にすぎない。


後10年もすれば、今の40代は50代になり、50代は60代になる。その時も、社会は、今と同じでいられるだろうか。

私自身、未来を考えると怖い事ばかりだ。

東京オリンピックに何兆円もかけている余裕があるのなら、そんなお祭りはやめて、この世代を救済する施策をドンと打ち出すべきではないだろうか

おそらく最後のチャンスは今ではないか?


団塊ジュニア世代からしてみれば、上も下も皆、恨めしい。) (蛇足)


世代の問題なので、今不遇だという人も、比較的恵まれているという人も、問題から逃げることはできない。やがていろんな形で問題が顕在化するだろう。その時のために、どうすればよいのか。ただただ不安なのである。