IT (情報技術) 学習記録-もしくは中高年(就職氷河期世代)の生き方-

IT系,または,電気通信系資格の学習記録を中心に。もしくは中高年(就職氷河期世代)の生き方,働き方,世の中。中高年の転職の現実。

プロジェクトマネジメントにおいて本当に守らないといけないものはコストよりもタイム…時間だ!時間的余裕だ!


プロジェクトマネジメントにおいて本当に守らないといけないものはコストよりもタイム…時間だ!時間的余裕だ!


プロジェクトにおいて、何が人を追い詰めるのか。

それははっきりしている。

「お金(コスト)」と答えるPMが居たら注意が必要だ。

人をいつも、追い詰めるもの。

それは、「時間」だ。

時間が人を追い詰める。


ユーザーやプロジェクトオーナーは時間(スケジュール)を軽く見すぎる

ユーザーや、プロジェクトオーナーは、決まってお金(コスト)を抑えたいがために、時間を削ろうとする。

しかし、実情を無視した時間の削減は、結果として、更なるコストの増加を招く事がある。

理由は様々挙げられる。が、最も悪い展開は、現場の人間が、心労や過労などによって体調不良となり、稼働がガクリと下がる事態である。

繁忙期にキーとなる技術者が長く休んだりすると、それだけで、たやすく現場が崩壊する。

IT系の現場においては、本当に必要な知識やスキルを持った人材の有無が、成否を分ける。

従業員を何万人も抱える巨大企業であっても、その事業を支えているシステムの固有な知識は、下手をすると自社の誰も持っておらず、委託先のとある技術者ただひとりにしかない、なんて事は普通にある。

これが形の見えないソフトウェアの開発/保守の現場の、特に日本の現場の実情である。


ユーザーやプロジェクトオーナーは、確かにコストを重視するだろう。

それくらいしか口を出せない素人だから、という事情もある。

だが、コストカットをしたいがために、安易にスケジュールを短縮するのは愚策である。

現場の技術者にとっては、時間的余裕こそが、最も欲しいものなのである。

時間の余裕さえあれば、暗黙知形式知に変換する余裕もできる。

時間の余裕さえあれば、マニュアルや手順書を整備する余裕もできる。

時間の余裕さえあれば、若手に知識やスキルを継承する余裕もできる。

時間の余裕さえあれば、発注元メンバーに本来の知識やスキルを渡す余裕もできる。

時間の余裕さえあれば、前任の残した資料を読み込む余裕もできる。

結果として、プロジェクトの品質も上向く。

そして、時間の余裕さえあれば、いつも心身と頭の状態を良く保つことができるので、より前向きに、より提案型に、よりヤル気を持って、仕事ができる。


ソフトウェアプロジェクトの本質はブルックスによって「人月の神話」が書かれた40年前から何も変わっていない

ブルックスによる「人月の神話」を知らない関係者が多過ぎる。

単に技術者を増員しただけでは、プロジェクトの期間は短縮できない。

スケジュールを確保しろと言うと、必ず、そのためにはお金が必要だという反論が来る。

作業工数の工面などは、まさにプロジェクトマネージャーが色んな画策をして何とかするものである。

現場の技術者にとっては、プロジェクトの黒字よりも、とにかく時間が欲しいのである。


近年は、短納期化、超高速開発など、ユーザー企業やプロジェクトオーナーなどの素人が飛びつきそうなキーワードが流行っているが、太くて短いプロジェクトを安易に決行すると炎上の可能性が高まる。

少数精鋭による細くて長いプロジェクトの方が、ずっと成功する可能性が高まる。現場の人間にとっては当たり前の事実である。

フレデリック・ブルックスの「人月の神話」の内容を見てみると良い。

40年前の本とは思えない程に、現在のソフトウェアプロジェクトにも通ずるものがある。

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