全世代型の社会に変わらないと(年齢差別を禁止しないと)国が滅亡する…"自己責任論"はブーメラン
全世代型の社会に変わらないと(年齢差別を禁止しないと)国が滅亡する…"自己責任論"はブーメラン
就職氷河期世代といっても、
1993年卒業の人たちから、2013年卒業の人たちまで、
20年間もの幅があります。
2013年卒業の人たちでさえ、今では30代に差し掛かろうという時代。
1993年卒業の人たちは、40代後半です。
(下手したら今の若い人からすれば親の世代)
昨今、「就職氷河期世代」を「人生再設計第一世代」と称して、なんとか救済しようという動きが国レベルであったりしても…
就職氷河期世代のおじさん・おばさんに今さらお金を使って救済なんかしてもムダ
就職氷河期なんて言っても、しょせん「自己責任」でしょ
…という声が、若い世代でも上がっているようです。
自己責任論はブーメラン
20代の人は、30代を経験したことがありません。
30代の人は、40代を経験したことがありません。
…というようなことを、前回の記事でも書きました。
私自身、自分よりも上の世代である「バブル世代」以上の人たちには、複雑な思いを持っています。
自分が、20代だった頃、当時の40代以上のおじさんたちに対して、内心ではいろいろな思いがありました。
なので、今の若い世代の人たちが…
就職氷河期世代のおじさん・おばさんに今さらお金を使って救済なんかしてもムダ
…というように思うことは、しょうがないのかな、と思います。
でも、それは、しょせん「ブーメラン」なのです。
当たり前ですが、
いま20代の人たちも、20年後には、40代になるのですから。
全世代型の社会に変わらないと(年齢差別を禁止しないと)国が滅亡する
これまでの社会のしくみで、何が問題だったかといえば、下記の点です。
(1)年功序列の報酬制度のため最も生産性が高い世代では給料が高くなく、すでに生産性が低下している中高年世代が最も給料が高い
(2)人生で最もお金が必要となる世代が中高年世代
(3)景気の影響で人員整理を行う手段として新卒採用の調整が行われてきた(世代間の不公平)
私は上でも書きましたが、自分より年上の「バブル世代」に対しては、決して良い印象を持っていません。
しかし、「バブル世代」も好きでその世代に生まれたわけでもありませんし、いま現在、住宅ローンや、子供の教育費などで、多額のお金が必要となっている一方で、一部ではリストラにさらされているのを見ると、ある意味、気の毒にも思うことがあります。
この平成の30年間で、社会の姿が激変してしまい、人生設計も激変してしまいました。
上記(1)(2)(3)の問題点は、本当に問題であり、すぐにでも変革する必要があると思います。
いま盛んに行われているリストラの背景も、主に(1)(3)でしょう。
私が最近の転職活動を行う中で思い知った、「年齢差別」が根強く存在する背景も、(1)(3)でしょう。
いま、「人手不足倒産」も増えているようです。
いくら「どうせなら若い人がほしい」とはいっても、「倒産させるくらいなら中高年を活用しよう」という方向が正しいと思います。
20代の若手の給料と、50代のベテランの給料が、同じであっても良いのではないでしょうか。
これらの方向性に、一企業ごとに対応するのは厳しい面があります。
なので、国・政府も、「中高年人材を活用する」という方向性を、後押しするような政策を実施すべきでしょう。
国・政府も、定年を引き上げたいと思っているわけですから
今後…
高齢者の増加
生産労働人口の減少
という社会になることは明白なのです。
個別の企業は、盛んに「45歳以上のリストラ」を行う方向は加速するでしょう。
でも、それは、個別の企業が自分の経営の生き残りを考えているだけです。
日本社会全体としては、「70歳までは社会保障費を使わずに働く社会」のなる必要があります。
これは、大いなる矛盾です。
この状況を放置すれば…
多くの企業から放り出された中高年が転職市場にあふれ、競争が激化し、結果として就職難民と化した中高年が激増する
ということが発生すると思います。
これは、社会の情勢不安につながると思います。