三年間は頑張ってみろの本当の意味
三年間は頑張ってみろの本当の意味
どんな仕事も「とにかく三年間は頑張ってみろ」という言葉は昔からよく聞く。
最近は、この言葉を否定する人が増えている感じがある。
「現代社会は変化のスピードが速いため、三年も待っていたら時代遅れになってしまう」
「若い人にとって三年間は大きすぎる。そんなに我慢する必要はない」
この考え方も間違ってはいないだろう。否定するつもりはない。
最終的には、その人その人、ケースバイケースで答えは様々だ。
ここでは、少しだけ「三年間は頑張ってみろ」の本当の意味を考えてみる。
仕事(キャリア)には三種類のものがある
仕事、もしくは、キャリアには、大きく捉えると、三種類のものがある。
- 1.専門性が高い、知識やスキルの積上げに長期間を要し奥が深い仕事(異年代差大・同年代差少)
エンジニアや専門職、特定の業界に特化した専門知識が必要な仕事。
悪く言えば潰しが効かない仕事。
下積み期間がとても長い。
- 2.汎用性が高い、知識やスキルの積上げは短期間で済み深くはない仕事(異年代差少・同年代差大)
人材系/管理系ビジネス、ヒューマンスキルが重要視される仕事。
悪く言えば底が浅い仕事。
若くても素質があれば一人前になれる。
- 3.専門性も汎用性もほどほどで、知識やスキルの積上げは短期間で済み未経験者でも可能な仕事(異年代差少・同年代差少)
定型的な部分が多い仕事。一般事務や比較的単純な作業など。
悪く言えば誰でもできる仕事。
自分の生活や性格に合えば長く続けられる。
無論、仕事の分類の仕方は上記がすべてではないし、上記だけが正しいとも思わない。
それでも、こういう分類もできるという例である。
仕事は、同じ呼び方の仕事であっても、入った企業や配属された部署によって、異なる分類になってくる。
「三年間は頑張ってみろ」というのは、
自分が選んだ仕事はどんな種類の仕事か
世の中のどういう仕事がどういう種類の仕事か
自分が本当に合っている仕事はどういう仕事か
を見極めるのに、かかる期間だと思う。
それを見極めるときに、例えば、上記の3分類で考えてみると、どうだろうか。
「1.」に該当する仕事なら、下積み期間が長い仕事なので、はじめの数年間は仕事としてはつまらないかもしれないが、それは必要な下積みであると思える。
「2.」に該当する仕事なら、若くして能力次第で一人前の仕事ができるが、更にキャリアアップをしたい場合は、職種チェンジも考慮しないといけなくなってくる。
下積みの重要性を誰も教えない悪循環
世の中の大人が、下積みの重要性をうまく若い世代に伝えていない現状があるように思える。
それで、下積み期間が長い仕事が敬遠されてしまう。
人工知能(AI)が発達して食い込んでくる領域の仕事は、上記で言えば「3.」「2.」の順だろう。
日本全体で守っていかないといけない領域は、失われつつある職人の領域や、町工場などの現場の領域なのではないだろうか。
そういった領域こそ、「とにかく三年間は頑張ってみろ」の世界なんだがなぁ。