インピーダンス・抵抗(レジスタンス)・リアクタンス・アドミタンス・コンダクタンス・サセプタンス
インピーダンス・抵抗(レジスタンス)・リアクタンス・アドミタンス・コンダクタンス・サセプタンス
電気回路、電子回路の勉強をすると、まず、聞きなれない用語の壁にぶち当たる。
私は長年IT業界でシステムエンジニアをしているが、IT初心者もやはり初めは用語の壁にぶち当たるのだろう。
そんなことを思う次第。
数式は用いないで、電気回路・電子回路の似たような用語の意味を書いてみる。
電気の流れにくさに関係する用語(単位:オームΩ)
厳密に言うと、電気の流れにくさは抵抗(レジスタンス)だけだと思うが、単位がオームのモノを3種類まとめる。
インピーダンス(記号:Z)
回路のレジスタンス、リアクタンスを総じていう場合、インピーダンスという。
直流回路では、基本的にリアクタンスは登場しないため、主に交流回路の話に出てくる。
交流回路ということは、周波数を持つということ。
波の性質があるということを意味する。
レジスタンス(記号:R)(抵抗)
直流回路で最初に習う素子である。直流回路を豆電球と電池で作る場合、豆電球が抵抗にあたる。
「電気の流れにくさ」を示し、仕事をしてジュール熱を発生させる。
E=I・R または V=I・R の式は、オームの法則として知られている。
(ここだけ数式を用いてしまった)
レジスタンスは、交流回路においては、電圧と同位相となり、「有効電力」つまり「消費電力」に関係する。
リアクタンス(記号:X)(Xc,XL)
語源はリアクション。コイル、または、コンデンサが持っている「抵抗のようなもの」を示す。
直流回路では、通常は出てこない。何故なら、コイルは単なる導線(短絡)であり、コンデンサは単なる非導線(開放)でしかないからである。
交流回路においては、電圧の変化に伴って、リアクタンスを持つ。
リアクタンスは、交流回路においては、電圧と90度異なる位相となり、「無効電力」に関係する。
リアクタンスは、インピーダンスの虚部に該当する。
コイル(誘導性リアクタンス)(記号XL)(係数の単位:ヘンリー)
電圧に対して90度遅れの位相となる。インダクタともいう。
周波数に「比例」して大きくなる。
コンデンサ(容量性リアクタンス)(記号Xc)(係数の単位:ファラッド)
電圧に対して90度進みの位相となる。キャパシタともいう。
周波数に「反比例」して大きくなる。
ここまでは、電気回路・電子回路の入門書によく出てくる。
以下は上記とは反対の意味を示すものである。
電気の流れやすさに関係する用語(単位:ジーメンスS)
単位がジーメンスのモノを3種類まとめる。
アドミタンス・アドミッタンス(記号:Y)
インピーダンスの「逆数」である。
つまり、インピーダンスが「電気の流れにくさ」の総体を示すものであるのに対して、「電気の流れやすさ」の総体を示す。
回路のコンダクタンス、サセプタンスを総じていう場合、アドミタンスという。
コンダクタンス(記号:G)
レジスタンス(抵抗)Rの逆数である。
「電気の流れやすさ」を示す。
コンダクタンスは、アドミタンスの実部に該当する。
サセプタンス(記号:B)(Bc,BL)
リアクタンスの逆数。
コイル、または、コンデンサが持っている「抵抗のようなもの」の逆数。
サセプタンスは、アドミタンスの虚部に該当する。
コイル(誘導性サセプタンス)(記号BL)
誘導性リアクタンスの逆数。
コンデンサ(容量性サセプタンス)(記号Bc)
容量性リアクタンスの逆数。
工業高校ではこういうものを普通に習っている
そう考えるとすごいよね。